ガンガーチャイでもいかが②
前回までのお話はこちら
ここは本当に駅なのかの巻
空港からタクシーで何分走ったのだろうか。
夜明け前のインドの町は恐ろしく不気味な雰囲気を醸しだしていた。
それは、タクシーの運ちゃんに何かされるのではないかという不安もあったせいだと思う。運ちゃんにはニューデリー駅へとだけ伝えていたので、ひたすら到着するのを待っていた。(結局心配するようなことはなかった。運ちゃん疑ってごめんなさい…)
ニューデリー駅に到着に到着した。まだ日が出ていないのに人が多いこと。こんな時間からみんな仕事をしているのだろうか?とりあえず今後の移動のために電車のチケットを取っておこうと、駅の窓口へ向かった。
駅に入った瞬間、衝撃の光景が目の前に広がった。
(=゚ω゚)ノ
人々が駅の中で布団を敷いて寝ているではないか。
(厳密にいえば布団というより、毛布や布だが…)
しかもひとりやふたりではない。大勢だ。そこらじゅうインド人が横になっている。場所によっては気を付けて歩かないと踏んでしまいそうなくらい大勢の人々が横になっていた。ここはニューデリー駅。インドの首都の大ターミナル駅でこんだけの人が寝ているなんて驚きでしかなかった。日本でいえば東京駅の丸の内口改札前で人々が横になっているということになるが、ありえない。
渋谷駅で時々寝ている若者の光景とも全然異なる。
そんなカルチャーショックを受けながらも第一目標であるチケットと求め窓内へ。
窓口は地元民向けと外国人観光客向けの2つがあるのだが、私の求めていた後者は騙される被害が多い場所の一つとして事前情報として得ていた。手口としては次の通りだ。まず、この窓口は2Fにあるのだが、階段で待ち伏せされる。チケットを求める外国人が来るとこう声をかける。
「YOU、今日は窓口やってないよ!」と
まあこのくらいなら、普通にありそうだが、ここからがちょいと違うところだ。必死に拒否し前へ進もうとしても阻止されるのだ。そして、最終的には腕をつかまれ違う場所へ連れてかれるという話もあるという。
こんな事前情報があったので、気を張って向かったが普通に階段をのぼり通り過ぎた。
「なんだ楽勝じゃん」と思いながらも奥へ進むと驚くべき展開が。
「Close!!!」
まあよーく考えてみれば、夜明け間にやってませんよね…駅のホームにたくさんの人がいすぎて完全に営業時間だと勘違いしておりました…
肩を落としながら駅を出て、その後は周辺をふらふらしておりました。
日本語を話すインド人大学生に遭遇の巻
長時間のフライト、不安に満ちたタクシー移動、ニューデリー駅でのカルチャーショックを受け、体はだいぶ疲れていた。駅周辺を散歩していてもやはり、日本人がでっかいバックパックをしょって歩いているといろいろと声を掛けられだいぶ身体に堪えていた。
しかし、この疲れも吹き飛ばす光景を見ることになる。6~7時だっただろうか、夜が明けるとインドのホントの姿がよく見えるようになった。とにかく人々の活気がすごいのである。日本では感じれられない活気というか、熱気というか。みんなの必死感を感じた。私はこの雰囲気が大変気に入った。
その後は宿を見つけようと考え、「地球の歩き方」を開いた。適当な宿に目星をつけ、宿を探す。初の試みだったが手軽なゲストハウスをそこまで苦労することなく見つけることができた。ベッドに倒れるとともに深い眠りに落ちた。
10時。目覚めると3時間ほど寝ていたのだろうか。すっきりとした目覚めだった。しかしここで自分の犯した過ちに気付く。なんと部屋の鍵を閉め忘れていたのである…
幸い何も盗まれておらず安心したが、自分の甘さを痛感した。ここは日本ではないのであると。
本格的に旅の始まりである。とりあえず、今後の旅のスケジュールを考えるにも事前情報がほしかったので、政府公認の観光案内所的な場所へ向かうことにした。まだ初日なので若干気を張って歩いていた。大きい通りを歩いていると、ある青年に片言の日本語で声を掛けられた。
「やあ、君は日本人?」
きた!!!「日本語を話すインド人は怪しい」(すべての日本語を話すインド人が怪しいわけではない)と事前にインプットしていた為、
「絶対振り切る」と心に近い歩きつづけた。しかし、執拗に話しかけてくる。
「私、日本語勉強している大学生です」
このときはじめて顔を見た。イケメンじゃないか(;・∀・)
( 注意:私はけしてそっちけいではない!)
とりあえず、反応してしまったことには話だけでも聞こうじゃないか、旅に現地人との交流も大切だとと言い聞かせ少し話をした。
「何をしてるの?」
「見てのとおり、街歩きさ、君は?」
「俺はこれから映画を観ようとしているんだ、たまたま日本人が歩いていたから声を掛けたのさ、君student?]」
「そう、大学生だよ。」
「そうなのか。ところで、ガイドブック手に持ってるけど、何か探してるの?」
「(ガイドマップを見せながら)この政府公認の観光案内所に行きたいんだ」
「それなら、歩いていくにはちょっと遠いよ」
「えーでも、貧乏旅行だし、この町初めてだし歩いてみたいんよ」
「いや、歩くのはいいけどこの辺は危険だよ、俺がタクシー呼んでやるよ」
半ば強引にタクシーを止められた。話しているうちに確かに、どこかもわからないところを歩いているわけだし、ここは忠告に従おう。青年はタクシーの運ちゃんに交渉しにい、別れの挨拶をし去っていった。
10分も乗っていただろうか。地球の歩き方にある写真と似たような建物が見えてきた。
「おお、本当についた!!!インド人普通に親切じゃん!」とインド人の親切心に感心しタクシーの運ちゃんにお金を払おうとしたとき、運ちゃんが
「さっきの兄ちゃんから、運賃はもらってるよ!」
「(*´▽`*)ほんとイケメンだわ」
先入観で日本語を話すインド人というだけで疑いかかった自分はなんて最低なんだと自己嫌悪に陥りながらも、インドのすばらしさを感じたのだった。
続く…